なだれ
選挙が終った。
自民が勝つことは予想していたが正直言ってここまでの大勝するとは思っていなかったので空恐ろしさを感じる。
先の不透明な閉塞状態がどれだけ「変化」への欲求を強烈なものにするか思い知らされた気がする。
「郵政民営化」がどうのこうのとかそんな事よりも、短期間でこうまでシンプルな理由で一方になだれを打つ現象が起こりうるということが私には今回の選挙での一番ショックあった。
それは逆からみれば前回の民主党の躍進の時にその予兆があったと言えばいえるのだが、今回の結果はそのときの比ではない。
それだけ財政赤字に危機感を持っているということなのだが,その事がこれだけ多くの人にその他のことを些細な問題にさせてしまう物だと言う事に怖さを感じる。
私も今「変化」を求めているから、「とにかく変えたい」気持ちは痛いほど良くわかる。
しかし,このような重要な局面になればなるほど民主主義のフェールセイフが機能するためにも均衡が必要で,そのあたりにこそ民主主義の長所が現れるのだと思うのだが、そうはならない。
国が間違った方向に進みやすいのもまた「絶頂」か「閉塞状態」のときであろうから,特に注意が必要なはずだ。
人は誰でも間違いを犯す,政治も同じで、しかもその間違いは国民にとって致命的となりかねない。
今回のようにシングルイシューでの大勝によって一方に強力な力が集中してしまうということは今後四年間はそれを検証する装置が機能しない事を意味する。
4年の任期を持つ議員の選挙であった。
今後4年間にどれだけ多くの難問が国の内外に起こる事だろう。
4年前から現在に至るまでどれだけ様々な問題が発生し、それにより4年前と現在とでどれだけ社会を取り巻く環境が変化したかを考えるとぞっとする。
それに関する基本姿勢が争点にもならず、これらを些細な問題にしてしまう今回の選挙とは何なのだろうか。
何年後かにこの選挙はどのように評価されるのだろう。
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