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2004/08/30

ご苦労様でした

アテネオリンピックは日本人の活躍もあり楽しく観戦させてもらいました。
選手の皆さん本当にご苦労様でした。
勝利を手にした選手の顔には喜びが満ち溢れ、残念にも負けた選手の顔には悔しさがにじんでいた。
どちらも目標に向け過酷な練習がそこにあるから作り物でない表情が出て、いずれも劣らず感動的だった。
一方、勝つ為の薬物使用も目立つ大会でもあった。
国の名誉をかけるという一面、個人の富みが関わってくるという一面
これらが、何をしても勝たなくてはいけないという要素を持ち込み、純粋にスポーツの祭典と言い切る事をできなくしているかもしれないが、むしろそれらは選手自身に問題があるというよりも周りが選手に押し付け,強要する性質の物で選手はむしろ被害者なのではないかという気がしてくる。

これまで,夏季オリンピックではよく日本人選手はプレッシャーに弱いといわれていたが、「世間」や「国の威信」が勝手に押しつけてくるプレッシャーに対しモチベーションの持ち方が変わってきたのだろうか、日本人選手が自らの持つ力を大事な場面で出し切ることができるようになってきたような気がする。
日本の「世間」には失敗者を出さないという利点はあるが逆に「異質」や「失敗」を必要以上に許さないところがある。
しかし、最近のスポーツ選手、特に海外で力を出せる選手は、あまり「世間」に惑わされず、しっかり個人のモチベーションを持ち結果を出し始めている。
「世間」に反発するだけというのは「世間」に惑わされる事と何ら変わりがないが,そうではなく「独自」のモチベーションを拠り所に目的に向かう姿は「個人主義」の本来の在るべき姿のような気がする。

私を含め「世間」やマスコミはオリンピックの結果に一喜一憂し、論評し、肴にして勝手に騒ぐが、間違いなく言えることはメダルを取った選手はもちろん、メダルを取れなかった選手、決勝に出る事すらできなかった選手も含め全ての選手は日本で最高の選手であり「世間」の誰よりも優れているのだ。
だからもともと「世間」など気にする必要はないし、結果を出せなかった選手も「申し訳ない」などと言わずに自らの内にある悔しさだけを胸に堂々と胸を張って帰国して欲しい。

追加:オリンピックの最後を飾るマラソンで選手への妨害があったことは本当に残念に思います。(※1)

追加の追加:(ブラジル・サンパウロから世界へ、そして渋谷)さんから
「オリンピック最終日。 ブラジル有終の美を飾る。」
というトラックバックをいただきました。
ブラジルの選手が笑顔でゴールし、観客が選手を心から祝福。
オリンピックの最後を飾るマラソンは「妨害があったことは本当に残念に思います。(※1)」で終るのではなく、まさにオリンピックの本来の姿で「有終の美を飾った」で終るのがふさわしいと思い直しました。
トラックバック有り難うございました。(8/30 11:25AM)

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