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2004/08/06

8月6日 原爆忌

今日という日は「原爆」という非人道的な兵器を憎む日なのだと思う。
その「原爆」を落とす事になった「戦争」を憎む日なのだと思う。
その「戦争」がもたらす「痛み」を想像する日だと思う。
その「痛み」を忘れてしまう「人の性」を見つめる日だと思う。

原爆でなくなった人は人を殺した事など一度も無い人がほとんどだろう。
原爆を落とすためにエノラゲイを操縦していた人も投下のボタンを押した人も家族や仲間を大事にし、守るべきものがあった責任感の強い愛すべき個人であったろう。
核兵器の原理を発見した科学者は純粋に自然の真理を追求する優れた個人であったろう。
戦争で人を殺した人もそのほとんどは家族の元に帰れば善良な父であり息子であり兄弟であるに違いない。

しかし、こうした普通の人々が営んでいた世界で「戦争」や「原爆の悲劇」が現実として起こってしまうことを忘れてはいけない。

戦争が起こるのに「特別」なものなどは何も無かったのではないか?
目の前に見える「必然」の積み重ねが普通に起こっただけなのではないか?

普段と同じように「不信」の蓄積がなされ
抗し難い「現実」を目の前にして、それを阻むものを当然のごとく「普通」に一蹴し
諦めの状況の中で普通に「閉塞感」が蔓延し
その「閉塞感」のなかで光を放つ「まがい物」に「普通」にすがり
世界情勢の中で「普通」にその「必然性」という名で軍事力が増強され
その対立の中で普通に相互の「憎悪」が一人歩きし
もっともな「理由」で先端が開かれ
相手に被害を与え、勝つことが「普通」である戦争で「原爆」が落とされる。

個々の出来事において「これは異常だ」と当時の人が疑うべき特別な「必然」があるであろうか?

先人達は記録を残し、言葉に残し、宗教を確立し、子孫に同じ事を繰り返さぬように伝えようと知恵を絞ったにもかかわらず、予定通り、型どおり「人の性」に従って普通に繰り返しただけに思える。

今を生きる我々にとって忘れてはいけないことは、どんな「必然」で戦争が起きたかに関わらず戦争に関わり生き残った多くの人が、戦争が終わった時点で「戦争は繰り返してはいけない」と心底思ったという事実ではないだろうか。(生き残れなかった人はそれを言う事もできない)

今、この瞬間の状況も何ら当時の「普通」と変わらない。
ありとあらゆる「現実」の前に「もっともらしい必然」があふれている。
「もっともらしい必然」を「現実」を駆使して詳細に説明する情報には事欠かない、不況、不安の中でその「戦争に繋がるもっともらしい必然」は強い光を放ち、人をひきつける。
そこに繋がる道だと判っているくせに、あたかも途中で止まる事ができるかのような、それこそ「現実的ではない言い訳」を片手に「必然」を人に押し付ける。
これはけして我々の目には「特別」なものなどには見えず、ごく「普通」に映る。
そして、あたりまえのように「現実的」なのだ。
何しろ一番「現実的」なものは「人は忘れ、過ちを繰り返す」事なのだから。

「原爆」がこれまでの繰り返しと違うのは「人類」「生物」の生態系をも狂わせその存在自体を悲惨な形で消滅させる力を持ってしまった事。
次の繰り返しの後には「戦争は繰り返してはいけない」と思う事すら誰もできなくなるかもしれない状況になってしまっている事。

今日と言う日が、最後のチャンスに「人の知恵」が「人が過ちを繰り返す」事を乗り越えるための決意をする日であって欲しい。

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コメント

こんにちは。相互トラックバックありがとうございます。
戦争についていろいろな意見があると思いますが、一人一人が少しでも考えてみることが必要だと思います。
また寄らせていただきますね。どうもありがとうございます。

投稿: ゆい | 2004/08/08 22:07

ゆいサン こんばんわ
こちらこそTB、リンク有り難うございました。
できれば目を向けたくないと思う時こそ目を向けなくてはいけないのかもしれません。
今がそんな時なんだと思います。
これからも宜しくお願いします。

投稿: FAIRNESS | 2004/08/09 00:33

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