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2004/07/20

曽我さん家族来日で思う事

曽我ひとみさんのご家族が来日しました。

拉致され忘れ去られた期間に元米国軍人のジェンキンス氏と結婚され、そのことが平穏な生活の回復の障害になろうとは改めて過ぎ去った「時間」の意味を考えさせられます。

北朝鮮にはまだ多くの拉致された日本人がいる。
今、北朝鮮に残された人たちはこの「時間」をどのように生き抜き、この「時間」によりどのような事情を抱えることになったのだろう。
中には北朝鮮の政権の維持に協力する立場や、対日本政策に寄与する立場に身を置かざるを得なかった人がいるかもしれない。
それができず、今もつらい目に遭っている人もいるかもしれない。
拉致され、独裁政権下、祖国に忘れ去られた中で日本人が生きていく為にさまざまな選択をせざるを得ない状況に置かれていたのかもしれない事を充分想定しなければいけない。

我々は拉致された国の国民として、全ての拉致された日本人の帰国を望んでいる。
これは同時に、これら失われた「時間」に彼らに起こった全ての事を引き受ける事になる。
もちろん上記のことが無ければそれに越した事は無いが、我々はどんな事が出てこようともこれらを引き受ける(受け入れる)だけの覚悟をしておく必要があるのではないか。

我々日本人の多くが必ずしも米国のイラク戦争を正しいなどとは思わなくとも今もっている「豊かさ」を失いたくない、「安全」を確保したいばかりに大儀の無い政策を支持しているのと同じように、拉致された人々が独裁政権下で目の前にある現実に従わざるを得なくともそれをどうこう言えるほどのものでもない。
まして、彼らが直面したであろう現実は我々が直面する柔な現実とは比べ物にならないほど過酷な物であり、その一切が彼らの責任により生じた物ではないのだ。

曽我さんの報道を見ているとマスコミが被害者である彼らを食い物にしているように見えて心配になる。
日朝の間に入った善意の他国で、傍若無人なあのような過熱報道は異常である。
北朝鮮の随行員であろうと、それだけの理由であれだけ執拗で失礼な接触をし、間の抜けた質問をぶつけるに至っては日本の品性に関わる。
(このような報道をしているから、本来大事な「報道の自由」を失いかねないない事態を引き起こすような気がする。移譲後のイラクの検証、イスラエルの壁、スーダンの情勢等々世界が注視し,報道しなければいけない事は山ほどあるはず。)
これらを目のあたりにすると、さらに複雑な事情を持つかもしれない残された拉致被害者が明らかになったときのマスコミの興味本位の馬鹿騒ぎは想像に難くない。
イラク人質事件、被害者家族会へのバッシングに走る社会がどのような反応を示すかにも懸念を持つ。

被害者を取戻す事はもちろん重要だが、それを受け入れる日本も受入側として様々な問題に責任を持つ立場になる事を忘れてはいけないだろう。


最後に、曽我さんのご家族に1日でも早く静かで平穏な生活が戻るように願っています。

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