もう一度イラク
もうじき参院選が始まる。
イラクは政権移譲を前にして最悪の状態になっている。
選挙前に影が薄くなりがちなイラク問題にしばらく拘りたい。
サミット前に国連ではイラク復興に対して新決議を取りまとめた。
しかし、ドイツ,フランス,ロシアなどはアメリカのイラク政策に必ずしも手放しの後押しを約束したわけではない事は誰でも知っている。
言うなれば、アメリカとの関係を修復させる為に表面上の同意を示しながらも「火中のくりを拾う」ことは避けたというところだろう。
これは、アメリカのイラク政策ではいずれにしろ行き詰まるという予測がその理由の一つにあるのではないだろうか。
アメリカが「イラク政策の方針を変更する」、「イラク復興の主導権の独占を諦める」、などの変化が見られない限りはおいそれとは手を出せないと思う。
上記の国々は自国の利益,生命,財産を考慮したうえで、主権移行後のイラク、アメリカ大統領戦後のアメリカの戦略の方向性を見極めてからでも遅くないと思っているのではないだろうか?
(話はそれるが、優秀な土木技術士が職を失って困っている中で、彼らに仕事を任せれば数十分の一でできる仕事を独占しようというのだから呆れる。その資金は何処から出るの?日本などが出す復興資金?、それでまかなう事ができない時は債務をイラクが負い、その債務でイラクを抑え、石油で払わせつづけるの? 復興支援が聞いて呆れる。しかもこの思惑がイラク人にはバレバレ)
これらヨーロッパの国々に比較して日本政府がイラクの収束をどのように予測しているのか良く分からない。
日本国民の利益、生命、財産を預かる日本政府がどのような根拠と予測の上で今の米国一辺倒の政策を
続けようとしているのかが良く分からないのだ。
「イラクの安定化」だけでなく「テロとの戦い」の今後がどうなるかの予測は日本の将来に大きく関わってくる。
日本の経済、資源確保、自由貿易を左右する中東・テロ問題は下手をすると対中国、北朝鮮を想定した安全保障問題よりも差し迫った切実な問題に発展しかねない。
六ヶ国協議の枠組みができ対話の場が持たれている現在の状況では、極東での有事による国民の犠牲の発生確率とイラク問題から派生するテロによる国民の犠牲の確立とどちらが高いかといえばテロによる犠牲の発生確率のほうが高いのではないだろうか。
イラク戦争前に「パンドラの箱を開ける」事の危険性を指摘され国連での反対意見を押し切って進められた米政府のイラク攻撃が指摘通りのテロ拡散を招いている状況になっても、日本がアメリカの政策を支持するにはそれなりに現実的な現状打破の見通し、予測を持っていてしかるべきだろう。
しかし、政府からの説明は「テロに屈しない」の一言で終ってしまう。
無差別殺戮としてのテロを許す事はできないのは当然のことで誰も異論など持っていないだろう。
敢えて「テロはいけない」などといった説明の繰り返しは要らないのだ。
ブッシュ大統領の勝利宣言から今までと,これからは違う という根拠が何処にあるのか説明しないのはなぜなのか?
政府は今の不安定な状況は将来の安定の為に避けて通れない予測された過程であり何も心配など要らないとでも言うのだろうか?
アメリカ式の「テロに屈しない」政策が今のところテロを拡大しているという認識がそもそも無いのであろうか?
説明が無いから全く判らない。
アメリカでは既にこれまでの「見通しの甘さ」や「捕虜扱いの不正」は議会でもマスコミでも調査、認識し、その現実に基づいてどう対処していくかの議論も出始めている。
大統領選挙でもこの点は争点になるであろう。
ある意味で多少正常化し,権力に対する監視機能が動き始めている。
日本ではこのような現状認識や監視機能が政治の場において確認された形跡は無い。
むしろそこから目を背け、争点をぼかす事に躍起になっている。
政府与党の皆さん、国の大事をごまかして煙に巻くのはもうよそう。
前提が間違っていた事や予測が外れた事を誤魔化すのと、国が現実を無視した前提で間違いを犯さない事とどちらが大事なの?
「自らを守る」事のほうが「愛する日本を守る」事よりも大事なの?
皆さんも日本人でしょう。
日本は日本として現実を認識し、米国の「同盟国」ならば「同盟国」らしく米国にとっても日本にとっても不利益になる事には「強く換言」する選択肢があってもいいではないか?
そんな事で同盟関係が崩れるならさらに深刻な有事には役に立たないでしょう。
なぜアメリカが孤立する状況を黙視して何もしないの?
自衛隊の多国籍軍参加はブッシュ大統領を喜ばせてアメリカ国民を欺く手助けにはなっても国際社会との協調を遅らせるだけではないの?
アメリカに同調する立場をとるのなら日本はアメリカが孤立すればするほど困るんだよ。
アメリカが「非道」を繰り返せば繰り返すほど困るんだよ。
アメリカは多少孤立しても生きていけるが日本は違うんだよ。
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コメント
私は、「自分達こそが唯一の正義」と考えるアメリカは好きではありません。
ただ、アメリカには、「権力を監視し正常化する」「真実を明確にし説明する」と言った民主主義を守る機能が有ります。その事に関しては、認めざるを得ません。
それに対し、残念ながら、民主主義を装っている国家主義の日本では、「お上のやる事には口出すな」の思想が、政治家・官僚だけでなく多数の国民に中にもあります。
それは、国政だけでは無く、幹部の悪事が批判出来ない民間企業(UFJや三菱自工等・・・)にも見られる事から分かります。
つまり、日本の殆どの組織では、権力を握っている幹部の力が絶対で、それを批判する勢力は封じ込まれるのです。
私は、早く、日本も民主主義の国家になって欲しいと切望します。
投稿: ぶーすか | 2004/06/25 19:36
日本は独立国家ではないのかも知れないですね、アメリカの同盟国ではなくアメリカの奴隷に近い立場に置かれているのではないでしょうか?言葉が過ぎるなら弟子みたいなもの…。
支配階級があってその下で働いている、言われたことはやるけど
自分で考えるのが嫌?めんどくさい理屈や、国際問題に対して独自のスタンスを打ち出すことが出来ない状態なんですかね…。まるでそれをするのが悪いことの様に感じているでしょうか。
なんだかそんな感じがしてきます。
今回も言われたから頑張ってやってますが、理屈や戦略の深いところはアメリカに聞いてくださいって感じでしょうか?
いいかげんにしないと、世界中からソッポ向かれちゃいますよね
まっとうな国に速くなって欲しいと思いました。
投稿: toritori | 2004/06/25 23:07
ブースカさん こんばんわ
私も日本の民主主義は未成熟なんだろうなと最近思います。
それ以前にあまり「民主主義とは」と言う事を問い掛ける機会が無かったのかもしれません。
アメリカの「自分達が唯一の正義」は裏を返すと「自らが正しいと思うことに素直」というもう1つの側面があると思うのです。
これは良い悪いはともかく民主主義には都合がいいんですよね。
つまり、意思を素直に表明してそれが政治に直接繋がり調整は民主主義というシステムが請け負ってくれる。
それに対して、日本ではちょうど今、私がしているように「一方ではこうだけど他方ではそうではないかも知れない」と見る。
つまり民主主義のシステムが意見を調整する前に、自らの意見に調整を加えてしまう。
それが結果結果として政治を歪めてしまうのではないでしょうか。
「個を前提とする社会」と「社会を前提とする個」の違いが根底にあるような気がするのです。(この辺がブースカさんの仰っている事なのかもしれません)
だから、人質事件の時みたいに「個人のあるべき姿」を「社会が教えてあげなければいけない」と言う道徳心が働くのでしょう。
民主主義の選挙では、国民一人一人がどのような国にしたいか本来の望みに素直に投票すればするほど集約が正確になるのだけれど、日本ではつい気を廻して現実性、社会性を過度に考慮して投票してしまう。
現実的な政策は政治家が考え、必要ならば泥をかぶればいいことなのに国民が最初から泥をかぶっている。
日本人の一面的でない部分は特に今のような時代には貴重な物だと思いますが、民主主義のシステム構造がこのようにできてる以上投票に関してはある程度そのことを意識しないと民意はいつまでたっても反映されないかもしれませんね。
ブースカさんの意見を見て、つい思いつくまま書いてしまいました、しっかり検証していない分析なので適当に聞き流してください。失礼しました。
投稿: FAIRNESS | 2004/06/26 03:26
toritoriさん こんばんは
冷戦時代は日本もアメリカと同じ道を歩いていれば西側ヨーロッパ社会ともうまく付き合う事ができ、アジア諸国、中東諸国との外交でも大きな間違いは無かった。
ただ社会主義国との付き合いは当然思うようには行かなかったけど経済的にはそれほど影響が無いから困る事は無かったのだと思います。。
だから外交に独自色を持つ必要も無ければそれほど真剣に考えなくても親米でさえいれば良いという感覚が染み付いてしまったのでは無いでしょうか?
冷戦後はイデオロギーの枠を越えた思考、より複雑な舵取りを要求されていると思うんです。
早くこのイデオロギーの縛りを越えて世界を見ることができればいろいろな可能性が見えてくると思うんですけど現状を見るとしばらく縛られそうですね。
投稿: FAIRNESS | 2004/06/26 03:35