イラク戦争を直視せよ
実は、このblogを始める前、イラク開戦前からLycos(途中からInfoseek)の掲示板でイラク戦争への反対、自衛隊派遣の反対の立場で投稿してきた。
閉鎖されるまで投稿は続けたが掲示板の限界を感じずにはいられなかった。
そんな関係でこのblogでは敢えてイラク戦争や自衛隊派遣そのものについてはあまり直接的には書かなかった。
しかし、橋田信介さん,小川功太郎が襲撃されるというニュースが流れ、しかもほぼ絶望的な状況となった今、もう一度イラク戦争を振り返えらずにはいられない。
私は、今のイラク戦争に対する日本外交の流れは9.11後、アフガン攻撃前に小泉首相が得意のパフォーマンスから「アメリカのテロとの戦いを全面支持する」とこれまでに無く「鮮明に立場を表明した」時点ですべてが決まってしまったと思っている。
それ以降は小泉首相が自らの頑固さの為、この言葉に引きずられ続け,それに自民党のタカ派の思惑が乗っかって、引くこともできず惰性で現在に至っただけのことだと考えている。
そこには未来への予測も、思惑も無く常に現実への対応に右往左往する姿しか見えてこない。
思惑があったとしても国民をコントロールするシステム作りにいかに利用するかだけであろう。
1つの間違った決断が次の困難な現実を生み、その現実を前提に次の決断が行なわれまた新たな困難な現実に直面するという繰り返しで気がついたら岸には戻れない沖に流されてしまったにすぎない。
「過去のことをとやかく言っても仕方が無い、直面する現実に対応するしかない。」
というもっともらしい修正不能の論法はもううんざりである。
現実的な国益重視の政策をとったはずであるがどんな国益があったというのだ。
石油の確保? 北朝鮮政策の米国のバックアップ? 国際貢献? テロの一掃? 国民の安全?
何ひとつ得たものなど無い。
一体どこが現実論だというのか?
中東が不安定に陥り、イスラエルにパレスチナ難民迫害の口実を与え、テロが世界に拡散し、石油は高騰、国連の権威を貶め、国際貢献はイラク人の目に見えず、友好的なイラク国民の感情を逆なでし,北朝鮮ではアメリカが拉致家族の帰国の障害となっている、自衛隊は引くに引けずイラク人を殺すか自衛隊員に被害が出るのをただ恐れそうならぬように無策にじっと祈るだけ、一体砂の中で汗を流し命を削っている自衛隊員を何だと思っているのか?
もう1つある アメリカの世論ですら方向を変えようとしている。
いまや日本はピエロになろうとしているのだ。
これが本当の現実だ。
それだけではない、日本が全面支持するイラク戦争は その過程で多くのイラク人を死に追いやり、アメリカ兵を犠牲にし,アメリカ兵を狂わせイラク人を虐待させ、その挙句に日本人を標的にした襲撃で大事な同朋の命を犠牲にした。
イラク人の心を捉えたのは政府が厄介だと思っている高遠さんの一言と今回の橋田さん小川さんのイラク少年を助けようとした姿だけでは無いのか?。
なぜ、あれほど苦労している自衛隊員がイラク国民から期待はずれの目で見られなければいけないのだ。
まさか、アメリカの政策の失敗など予想できなかったなどというわけではあるまい。
今の事態は各国の要人も、素人の掲示板ですら多くの人が指摘していたことだ。
目の前の「一見現実のように見える偽物(国益)」に目がくらんだのだ。
現実に見えた物が実はありもしない理想で、理想に見えた物こそ目指すことが可能な現実だったのではないのか?
もういい加減にごまかすのは辞め、本当の現実を直視しても良いのではないか?
日本がしなければいけないのは世界が血を流さない為に自衛隊の撤退覚悟で他国と一致協力し、本気で米国を正気に戻す役割を果たすことだ。
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